やわらかな色合いと優しい木目で人気が高まっている「アルダー材」。
近年はナチュラルテイストや北欧テイストの家具によく使われる木材として、インテリアショップでも見かける機会が増えています。
一方で、「アルダー材とはそもそもどんな木なのか」「他の木材とどう違うのか」「メリット・デメリットを知ったうえで家具を選びたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、アルダー材の基礎知識から特徴、メリット・デメリット、どのような家具に使用されているか、選び方やお手入れのポイントまでをまとめてご紹介します。
これからアルダー材の家具を購入しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
アルダー材とは?基本情報と木材としての性質
アルダー材は、カバノキ科ハンノキ属の広葉樹「アルダー(ハンノキ)」から切り出される木材です。
太平洋北西海岸やヨーロッパ、北米などを中心に広く分布しており、家具や内装材として用いられるほか、楽器や彫刻材としても使われています。
- 分類:カバノキ科ハンノキ属の広葉樹
- 主な産地:北米・ヨーロッパ・太平洋北西海岸など
- 代表的な種類:レッドアルダー(家具・楽器用としてよく使われる)
- 色合い:淡い赤みを帯びた明るい褐色〜オレンジがかったナチュラルカラー
- 硬さ・重さ:広葉樹の中では比較的柔らかく、比重は中程度
- 主な用途:家具、フローリング、内装材、楽器ボディ、彫刻材など
広葉樹は一般的に硬く重いものが多いですが、アルダー材はその中では柔らかく加工しやすい性質を持つ木材です。刃物の通りが良く、曲線や面取りなどの立体的なデザインも表現しやすいため、デザイン性の高い家具に多く採用されています。
また、乾燥させた後の伸縮率が比較的低く、反りや割れが出にくい点も特徴です。日本のような湿度変化の大きい環境でも、寸法変化が少ないため、日常使いの家具にも適しています。
アルダー材の特徴
木目や節が主張しすぎない、やわらかな表情
アルダー材最大の特徴は、「木目や節が比較的おだやかで、全体として優しい表情をしている」点です。天然木らしい温もりを保ちながらも、クセが少なく、空間にすっと馴染むナチュラルな見た目になります。
同じナチュラル系でも、オーク材のように力強い木目が前面に出るタイプとは異なり、アルダー材は木目のコントラストが穏やかです。そのため「木の雰囲気は欲しいけれど、あまり主張しすぎないものが良い」という方にぴったりの素材です。
やわらかく加工しやすいので曲線的なデザインにも対応
アルダー材は、広葉樹としては比較的柔らかい部類の木材です。電動工具・手道具を問わず加工しやすいため、直線的なデザインだけでなく、角を丸くした天板や、柔らかな曲線を描く脚部などの立体的な造形も得意とします。
この「加工しやすさ」は、家具のデザイン性の高さにも直結しています。例えば、ダイニングテーブルの天板の縁を丸く削り、手触りの良い優しいフォルムに仕上げたり、子ども用家具の角をしっかり面取りして安全性を高めたりといった工夫がしやすくなります。
明るいナチュラルカラーで部屋全体を明るく見せる
アルダー材の色合いは、やや赤みを帯びた明るい褐色〜オレンジがかったナチュラルカラーです。重く濃い色合いの木材と違い、アルダー材の家具を置くと空間全体がふんわりと明るい印象になり、やわらかな雰囲気を演出できます。
白い壁や淡い色の床材との相性も良く、北欧テイストやナチュラルテイスト、カントリー調のインテリアスタイルに幅広くマッチします。観葉植物やファブリックとも組み合わせやすいため、「明るくあたたかいリビングやダイニングをつくりたい」という方に人気が高まっています。
経年変化は穏やかで、落ち着いた色味へと育っていく
木材は時間の経過とともに色が変化しますが、アルダー材の経年変化は比較的穏やかな部類です。伐採直後は白っぽく、使用し始めの家具もややオレンジがかった明るい色をしていますが、徐々にトーンが落ち着き、柔らかなナチュラルカラーから少し黄味・赤味を含んだ落ち着いた色味へと変化していきます。
チェリー材のように劇的に濃くなるタイプではないものの、光の当たり方や使用環境によって、表情の変化をゆっくり楽しめる木材と言えます。
アルダー材を家具に使用するメリット
1. 部屋を明るくしてくれるやさしい色合い
アルダー材は、暗くなりがちな木製家具の印象をやわらげ、空間全体を明るく見せてくれる木材です。大きなダイニングテーブルや収納家具でも、アルダー材なら圧迫感が出にくく、リビングやダイニングをすっきりとした雰囲気に保ちやすくなります。
特に日当たりの良い部屋や、明るい床材・白い壁との組み合わせでは、アルダー材ならではの優しい杢目が引き立ち、ナチュラルで居心地の良い空間づくりに一役買ってくれます。
2. 子ども部屋や学習家具との相性が良い
柔らかくあたたかみのあるアルダー材は、キッズ家具や学習机にもよく使われています。明るい色合いで圧迫感が少なく、角を丸く加工しやすいため、小さなお子さまが使う家具にも適した素材です。
また、天然木ならではの質感に触れながら育つことで、ものを長く大切に使う感覚も身につきやすく、学習机やチェアなど「長く使っていく家具」との相性が良い木材と言えます。
3. 自然塗装(オイル仕上げ)で木の風合いを活かしやすい
アルダー材の家具では、表面仕上げに自然塗装(オイル塗装)が選ばれることが多くあります。ウレタンなどで表面を厚くコーティングするのではなく、オイルを木の内部に浸透させることで、木肌の滑らかさや質感をダイレクトに感じられる仕上がりになります。
特に、アルダー材の優しい木肌や木目を楽しみたい方には、オイル仕上げの家具がおすすめです。使い込むほどに艶が増し、経年変化の雰囲気も楽しみやすくなります。
4. デザインの自由度が高く、バリエーションが豊富
加工しやすいアルダー材は、シンプルでまっすぐなシルエットだけでなく、曲線的で柔らかいデザインや細かなディテールを施した家具にも向いています。ナチュラルテイストのダイニング、北欧風のデスク、キッズ向けのチェストなど、多様なスタイルの家具に採用されているのは、この「扱いやすさ」が背景にあります。
アルダー材を家具に使用するデメリット・注意点
1. 柔らかいためキズや凹みが付きやすい
メリットでもある「柔らかさ」は、裏を返せばキズや凹みが付きやすいという弱点にもなります。硬いものをぶつけたり、重いものを引きずったりすると、表面にへこみやスリキズが残りやすいため、扱いにはある程度の注意が必要です。
ダイニングテーブルであれば、鍋敷きやランチョンマットを併用する、椅子の脚裏にフェルトを貼るなどの工夫をすることで、キズを軽減しやすくなります。
2. 水や湿気にはあまり強くない
アルダー材は、水分や高い湿度にはあまり強くありません。長時間水滴が残ったままになるとシミや変色の原因となり、屋外や水回りでの使用には基本的に向いていません。
そのため、テーブルに飲み物を置く際はコースターを使う、こぼした水や飲み物はすぐに拭き取る、加湿器を近くに置きっぱなしにしないなど、日常的なひと手間が長持ちさせるポイントになります。
3. 場所によっては経年変化による色ムラが出ることも
アルダー材の色変化は比較的穏やかですが、それでも日光の当たり方や使用状況によっては差が生じます。窓際で片側だけ強く日差しが当たる場所に置いている場合、そこだけ色が変化しやすく、天板に物を置きっぱなしにしていると「置いていた部分だけ色が明るい/暗い」といったムラが出ることがあります。
数か月に一度家具の向きを変えたり、装飾品の位置を入れ替えたりして、できるだけ均等に光が当たるよう工夫すると、色ムラを抑えつつ経年変化を楽しみやすくなります。
アルダー材はどんな家具に使われている?代表的な家具
ダイニングテーブル・ダイニングチェア
アルダー材のダイニングテーブルは、やさしい木目が大きな天板で存分に楽しめる定番アイテムです。角を丸く加工したデザインが多く、家族で囲む食卓に温かみを与えてくれます。ダイニングチェアと合わせてコーディネートすると、空間全体をナチュラルにまとめやすくなります。
デスク・学習机・キッズ家具
学習机や子ども用デスク、キッズチェアなどにもアルダー材は多く採用されています。明るくやさしい色合いで圧迫感が少なく、角の取れたデザインと相性が良いため、子ども部屋に置いても重たくならず、インテリアになじみやすいのが魅力です。
チェスト・テレビボード・リビングボード
リビングを構成するチェストやテレビボード、サイドボードなどの収納家具にもアルダー材はよく使われます。大きな面積を占める収納家具でも、アルダー材なら部屋全体を明るく見せつつ、ほどよく木の存在感も出してくれます。
ベッドフレームやサイドテーブル
寝室では、アルダー材のベッドフレームやサイドテーブルも人気です。重すぎない色合いとやわらかな木目によって、リラックスしたい空間を落ち着いた雰囲気に整えてくれます。ファブリックとのなじみも良く、シンプルなリネンやコットンの寝具とも好相性です。
アルダー材の家具を選ぶときのポイント
インテリア全体のトーンとの相性をイメージする
アルダー材は明るいナチュラルカラーが特徴なので、同じく明るめの床や白い壁との相性が特に良い木材です。一方で、ウォールナットなどの濃色の家具が多い空間では、アルダー材だけが浮いて見えることもあります。
手持ちの家具や床の色に対して、「明るさを足したいのか」「トーンを揃えたいのか」をイメージしながら、アルダー材を取り入れる位置やアイテムを選ぶと、統一感のあるコーディネートに仕上げやすくなります。
木目・節の表情を確認して好みの雰囲気を選ぶ
アルダー材は比較的節の少ない木材ですが、まったく節がないわけではありません。節の有無や入り方によって雰囲気が変わるため、「シンプルに仕上げたい」「少し表情のある木目が好き」など、自分の好みに合わせて選ぶのがおすすめです。
通販で購入する場合も、可能であれば木目のアップ写真やサンプル写真が掲載されている商品を選ぶと、イメージ違いを防ぎやすくなります。
塗装・仕上げの種類をチェックする
アルダー材の家具には、自然塗装(オイル仕上げ)とウレタン塗装の2種類がよく使われます。
- オイル仕上げ:木の手触りや質感をそのまま楽しめる。定期的なオイルメンテナンスが必要。
- ウレタン塗装:表面が保護されるため、シミや汚れに強く、お手入れが簡単。
「木の質感を優先したい」「メンテナンスも楽しみのひとつと考えたい」場合はオイル仕上げ、「日々の手入れを楽にしたい」「小さな子どもがいるため、汚れに強い方が安心」という方はウレタン塗装を選ぶなど、ライフスタイルに合わせて検討すると失敗が少なくなります。
アルダー材の家具を長く使うためのお手入れ方法
日常のお手入れは、乾拭き+固く絞った布での水拭き
アルダー材の家具の日常のお手入れは、やわらかい布での乾拭きが基本です。ホコリや軽い汚れが気になるときは、固く絞った布で水拭きをし、その後すぐに乾いた布で水分を拭き取ります。
水分を多く含んだ状態のまま放置すると、シミや反りの原因になりやすいため、「水は最小限、拭いたらすぐに乾拭き」がポイントです。
オイル仕上げの場合は、定期的なオイルメンテナンスを
オイル仕上げのアルダー材家具は、使っていくうちに表面の油分が抜けてカサついて見えることがあります。その際は、家具用オイルを薄く塗り込んでメンテナンスを行うと、しっとりとしたツヤと深みが戻ります。
半年〜1年に1回程度を目安に、乾いた布で汚れを落としてから、木目に沿ってオイルを塗り、余分なオイルをしっかり拭き取るお手入れをすると、長く美しい状態を保ちやすくなります。
キズ・凹みを防ぐためのひと工夫
柔らかいアルダー材は、日常のちょっとした衝撃でへこみやキズが付きやすいため、以下のような小さな工夫が役立ちます。
- 椅子やテーブルの脚にフェルトを貼る
- 熱い鍋やポットは鍋敷きの上に置く
- テーブルの一部にランチョンマットやテーブルランナーを敷く
- 重い物を引きずらず、持ち上げて移動させる
こうした配慮をすることで、小さなキズを減らし、長くきれいな状態で使い続けることができます。
他の木材との違い:オーク材・パイン材との比較
オーク材との違い
オーク材は、力強い木目と高い硬度が特徴の木材です。アルダー材と比べると、オーク材は重くて頑丈で、はっきりとした木目がインテリアのアクセントになります。一方、アルダー材はやわらかく木目も穏やかで、よりナチュラルで優しい印象です。
「重厚感のある男前インテリア」や「ヴィンテージテイスト」にはオーク材、「明るくナチュラルで優しい雰囲気」にしたい場合にはアルダー材、といった選び分けをするとイメージが掴みやすくなります。
パイン材との違い
パイン材も柔らかく明るい色合いを持つ人気の木材ですが、パインは節が目立ちやすく、素朴でラフなカントリー感が強い印象です。アルダー材は同じくナチュラル系でも節が控えめで、より上品で落ち着いた雰囲気になります。
カジュアルでラフな雰囲気を好むならパイン材、シンプルで優しいナチュラルスタイルを目指すならアルダー材、といったイメージで検討するとよいでしょう。
まとめ|アルダー材はナチュラル・北欧テイストにぴったりの木材
アルダー材は、やわらかな木目と明るい色合いが魅力の木材です。
広葉樹の中では比較的柔らかく加工しやすいため、角を丸くした優しいデザインや、子ども向けの家具、ナチュラルテイストのダイニングセットなど、さまざまな家具に採用されています。
一方で、柔らかさゆえにキズや凹みが付きやすく、水にもあまり強くないといった注意点もあります。
コースターやフェルトを使ったり、こまめに拭き取ったりといった日々のひと工夫で、アルダー材の家具はぐっと長持ちします。
明るくやさしいインテリアを目指したい方、ナチュラルや北欧テイストの家具が好きな方には、アルダー材は非常に相性の良い木材です。
ダイニング、デスク、キッズ家具、収納など、暮らしの様々なシーンにアルダー材を取り入れて、天然木ならではの温かみを楽しんでみてください。